The Hokkaido Geographical Society


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お知らせ

北海道地理学会からのお知らせ


北海道地理学会創立五十周年記念シンポジウム

北海道における環境と開発

−地理学が果たしえる役割と今後の展望− 3D CG

このシンポジウムは無料です.
どなたでも自由にご参加いただけます.
と き

平成12年11月11日(土) 午前9時00分〜午後4時30分

ところ

北海学園大学 国際会議場
札幌市豊平区旭町4丁目1-40 北海学園大学図書館6階
電話 011-841-1161(代)

主催

北海道地理学会

後援

建設省国土地理院北海道地方測量部,北海道教育委員会,
札幌市教育委員会,北海道新聞社,NHK札幌放送局,日本地理学会

会場までの地図


シンポジウムのねらい

 いま21世紀を迎える年にあたって、さまざまな地球規模の環境悪化が深刻な問題になっています。地球規模の環境はもとより身近な地域での環境問題もあり、これらの環境問題は、21世紀に解決されないと人類の死活問題にもなると言われます。
 主催者である私たち北海道地理学会のメンバーは、地理の研究者・教育者、あるいは地理に関係のある行政担当者・会社員などさまざまですが、地表におけるさまざまな現象を、その分布の特色や時間的な変化に着目するという地理学研究の特色から、環境問題の課題にも大いに関心をもち、さまざまな研究や教育を通して環境問題に関わる活動を実践してきました。
 しかし、いまや環境問題は一つの学問だけでは問題の所在一つでさえ規模が大きく、多岐多様の要因があるため、ほとんどすべての学問が関わって問題の解明や解決するための方策が研究されています。また環境問題を解決する点では、学問ばかりでなく対策を実施する「行政サイドの政策」、さらに個々人の意識に関わって「環境教育」も極めて重要になってきています。
 このシンポジウムでは、北海道という身近な地域において、「望ましい環境と開発」というものを考えるとき、これまでの、あるいはこれからの「地域開発」、「環境保護」、「環境の特性の把握」、「環境教育」などにおいて、どのような問題と課題があるのかをとりあげます。そして地理学の立場ばかりではなく、他の学問分野の研究者、行政や教育の専門家などの報告を基に道民の皆さんを広くお招きして討論し、このことから地理学の果たしえる役割と今後の展望についても考えることをねらいとしています。

基調講演とパネルディスカッション報告の要旨

基調講演  辻井 達一氏(北星学園大学社会福祉学部・教授)
「北海道の自然と自然保護−湿地を例として−」

 北海道は日本の中では自然度がもっとも高いという。これはその面積に比べて人口密度が低いことも大きく関わっているが、もっとも大きい要因としてはその開発の歴史が本州以南に比べて格段に浅いことであろう。
 しかし、明治以来の開発のテンポは、逆にもっとも速く、かつその規模において大きなものであった。すなわち、本州以南の地方では1000年単位で徐々に進められたのに対して、北海道のそれはまさに100年単位でしかも機械化の点で比べものにならないほど大きいものであった。
 それがどのような形で自然に影響を与えたか、今、それをどのように考えなければならないか、そして修正あるいは回復の意義はどこにあるのかを湿地を例として見直してみようとする。

パネルディスカッションA  金 晃太郎氏(北海道環境生活部・環境室長)
「北海道の環境」

 北海道に開拓使がおかれて百三十年が過ぎ、私たちは農地を拡大するための森林の伐採や湿地の埋め立て、洪水から生命財産を守るための河川改修など、自然の改変を行いながら今日の発展を迎えた。また、狼などのように人の生活にじゃまなものは駆除してきた。
 現在、北海道の環境は自然環境をふくめ比較的良好に保たれているが、生活の便利さや快適さを求める結果、さまざまな圧力を環境にかけている。このまま今までのように進めて行くのか、一度よく考える時期にきている。

パネルディスカッションB  小野 有五氏(北海道大学地球環境科学研究科・教授)
「北海道の環境問題と地理学の役割」

 本州に比べれば、北海道にはなお自然がよく残されている。しかし、北海道の公共事業依存構造は、その自然環境を破壊することで成立してきた。北海道の環境問題を論じるとき、地理学は、まずこの事実を明らかにすべきであり、その分析にたって、21世紀の北海道のために、いま、何を優先的になすべきかを提言する義務を地理学は負っていると思う。
 先住民族問題を含めて、北海道の環境問題に地理学がどのように貢献できるかを論じたい。

パネルディスカッションC  氷見山 幸夫氏(北海道教育大学旭川校・教授)
「地図で環境を考える」

 植生図や汚染分布図など、狭い意味で環境地図と呼ばれるものだけでなく、地形図のような一般図や都市計画図さえも、地域の環境について多くの情報を私たちに与えてくれる。適切な地図を入手しそれらを活用すれば、環境についてより広く深く知ることができ、問題の把握、改善の方策、将来計画などを考える上でも役立つはずである。
 そのような地図の利用方法、利用における問題、問題解決の方策等について、具体例を紹介しつつ論ずる。

パネルディスカッションD  藤田 郁男氏(環境学習フォーラム北海道・代表)
「学校教育における環境問題の学習と指導−その問題と課題−」

 いまの教育の方法では、物事の成り立ちや仕組みの理解と、文化や技術の伝達には大変優れた方法であるが、自発的な思考や価値判断、参加や行動にいたる学習には限界がある。
 環境問題にかかわる「大気汚染」「廃棄物の活用」「資源の活用」・・など、身近な課題を参加型の学習形態に展開させたい。できるだけ直接体験で、「知り」「気づき」「確かめ」「参加する」のプロセスで展開するが、環境問題では、ことの重要性を評価し判断する力の定着には、個人の心の内部にかかわるもので、学校教育では難しい課題を抱えることになる。)


シンポジウムのプログラム

9:00 〜10:00

参加者受付

10:00〜10:05

開会と主催者の挨拶、基調講演者の紹介

10:05〜11:05

基調講演 辻井 達一 氏(北星学園大学社会福祉学部・教授)
演題:「北海道の自然と自然保護 −湿地を例として−」

11:05〜11:10

休憩

11:10〜12:10

パネルディスカッションA
報告:金 晃太郎 氏(北海道環境生活部・環境室長)
テーマ:「北海道の環境」
コメンテーター:奥平 忠志 (札幌国際大学観光学部・教授)

12:10〜13:10

休憩(昼休み)

13:10〜14:10

パネルディスカッションB
報告:小野 有五 氏(北海道大学地球環境科学研究科・教授)
テーマ:「北海道の環境問題と地理学の役割」
コメンテーター:平川 一臣 氏(北海道大学地球環境科学研究科・教授)

14:10〜15:10

パネルディスカッションC
報告:氷見山 幸夫 氏(北海道教育大学旭川校・教授)
テーマ:「地図で環境を考える」
コメンテーター:小野寺 徹 氏(北海道滝川高等学校・教諭)

15:10〜16:10

パネルディスカッションD
報告:藤田 郁男 氏(環境学習フォーラム北海道・代表)
テーマ:「学校教育における環境問題の学習と指導 −その問題と課題−」
コメンテーター:高平 順夫 氏(藤女子高等学校・教諭)

16:10〜16:25 主催者のまとめと閉会の挨拶

お問い合わせ先
北海道地理学会事務局(担当:大内)

〒002-8502 札幌市北区あいの里5条3丁目1番
北海道教育大学札幌校地理学研究室内
電話・FAX:011-778-0423

電子メール:outi@atson.sap.hokkyodai.ac.jp

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